絶縁材料の評価とは

JETでは、電気製品(機器)の寿命や安全性に大きな影響を与える絶縁材料の性能について、各種試験を通じて評価しております。
対応可能な試験項目は以下の通りです。

主な対応試験・詳細

耐トラッキング性試験:IEC 60112、JIS C 2134 など

湿潤状態における絶縁材料の耐トラッキング性は、IEC 60112およびJIS C 2134などに基づき、電圧の指数として評価されます。この評価には、「比較トラッキング指数(CTI: Comparative Tracking Index)」および「証明トラッキング指数(PTI: Proof Tracking Index)」の2種類があり、それぞれ以下のように定義されています。

CTI(比較トラッキング指数)

材料が50滴の試験液に耐えた際の最大電圧値を指数で表したもの

PTI(証明トラッキング指数)

あらかじめ設定された電圧で50滴に耐えたことをもって、その電圧値を指数として表したもの

これらは評価方法によって表現が異なりますが、いずれも絶縁材料の性能を定量的に示す重要な指標です。
一部の製品規格では、CTIの数値に応じて必要な絶縁距離の規定が異なります。そのため、CTIの高い材料を選定することで、必要な沿面距離を短縮でき、製品設計の自由度が向上します。
さらに、本評価は差込みプラグにおけるトラッキング事故対策の評価にも有効です。

冷熱衝撃試験:IEC 60068-2-14 Na など

周囲温度の急激な変化に対する耐性を評価するもので、IEC 60068-2-14に準拠しています。
樹脂成型品の熱歪みによる変形や接合材料の剥離といった劣化の評価が可能で、電子部品や太陽電池モジュール用部材(端子箱、コネクタ)の評価にも有効です。

試験装置型式 TSE-12-A
温度範囲 高温さらし +60~+200℃/低温さらし -65~0℃
方式 昇降式2ゾーン方式(特長:温度移行時間が短い)
冷却方式 空冷
  • 内容積 約10L、小型試験専用
試験例(設定は任意で調整可能)
-40℃で30分保持後、85℃に移行し30分保持するサイクルを200回実施。低温から高温への移行時間は3分以内です。
大電流アーク着火試験/高電圧アークトラッキングレート: UL 746A
大電流アーク着火試験

大電流を流した電極同士の接触及び引き外したときに発生するアークによって材料への着火性をその電極同士が接触した回数で評価します。

高電圧アークトラッキングレート試験

試料表面に高電圧アークを発生させ、そのアークを徐々に延ばして炭化導電路の進展を確認します。炭化の最大長さ、または規定長に達した場合はその速度を数値で評価します。

グローワイヤ試験:IEC 60695-2-10

グローワイヤ(赤熱棒)を試料に押し当て、火災発生時を模擬して発火性や燃え広がりを評価します。この試験は、多くの製品規格に取り入れられています。以下の基準に準じた評価が可能です。

  • GWEPT(製品対象):IEC 60695-2-11
  • GWFI(材料対象):IEC 60695-2-12
  • GWIT(材料対象):IEC 60695-2-13
ホットワイヤ試験: UL 746A

ニクロム線を試料に巻き付け、電力を印加した状態での着火までの時間により、燃焼性を評価します。

熱軟化性試験: IEC 60695-10-2、JIS K 7206、ISO 306、UL 746A など

一定温度や定速昇温中での熱可塑性樹脂の熱軟化性(ボールプレッシャー、ビカット軟化温度、荷重たわみ温度)を測定、評価します。
測定媒体は、油中、気中のどちらでも対応可能です。気中であれば350℃の試験も可能です。

燃焼試験(水平・垂直、ニードルフレーム 等):IEC 60695-11-10、UL 94 など
水平燃焼試験(IEC60695-11-10)

水平にした試験片を一端から燃焼させ、燃焼速度、燃焼距離で材料を評価。

垂直燃焼試験(IEC60695-11-10)

垂直にした試験片を下端から燃焼させ、燃焼時間や試験片下部に置かれた脱脂綿の着火等を評価。

ニードルフレーム試験(IEC60695-11-5)

小さな炎で試験片を燃焼させ、燃焼時間とその下部に置かれたものへの燃え広がりを製品内部から発火する炎に見立てて評価。

衝撃試験:JIS K 7110、JIS K 7111、JIS K 7160、JIS K 6911 など

シャルピー・アイゾット等、振り子型衝撃試験機を用いた機械的耐衝撃性評価を行います。

絶縁耐力試験: IEC 60243、JIS C 2110、JIS C 3005 ほか

絶縁材料の耐電圧性能(AC/DC)、絶縁破壊強さを温度条件を変えて測定可能です。

赤外分光分析(FT-IR):JIS K 0117

絶縁材料の赤外吸収スペクトルを測定することで、未知試料の同定、定性分析を行います。

熱分析(DSC、TG等):JIS K 7120、7121、7122

絶縁材料の吸熱・発熱反応、転移温度、重量変化を評価します。
使用機器:示差走査熱量分析(DSC)、熱重量分析(TG)

耐候性試験(キセノンアーク):ISO 4892-2、JIS K 7350-2、ASTM G155 など

太陽電池モジュール部材(例:バックシート)を対象に、ウエザオメータによる暴露試験を実施します。

対応規格 ISO 4892-2、JIS K 7350-2、ASTM G 155 ほか
波長制御 340nm、420nm、300~400nm
温度制御 BPT(ブラックパネル)、BST(ブラックスタンダード)に対応
恒温恒湿槽を用いた環境試験:IEC 60068-2-14 Nb、IEC 60068-2-78 など
温度サイクル試験(IEC 60068-2-14 Nb)

40~100℃の範囲で温度サイクルの試験が可能です。

例:−40℃ → 85℃への昇温、85℃保持後 −40℃へ下降を1サイクル、計200回実施。

高温高湿試験(IEC 60068-2-78 等)

最高で85℃98%RHの条件下で長期間の環境試験が可能です。

例:85℃・85%RH環境で1000時間の連続試験

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