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NRTL認証
NRTL認証について
NRTL(Nationally Recognized Testing Laboratory)認証は、米国労働安全衛生局(OSHA)が運営する制度で、製品が米国の職場安全基準に適合していることを証明する仕組みです。
この制度は 29 CFR Part 1910.7 に基づき規定されており、OSHAが認定したNRTLが、認定範囲に従って製品の安全性評価を行います。
NRTLは電気・電子機器を中心とした幅広い製品群を対象としており、評価の中心は「安全性」ですが、安全に直結する製品性能や構造、ラベル表示、品質管理体制なども確認対象となります。
OSHA認定のNRTLによる適合認証を受けた製品には、認証マークを表示することができます。このマークは、米国内での販売・流通における信頼性を高めるとともに、労働災害の未然防止に直結します。
NRTL認定範囲
JETは、2025年にOSHAよりNRTLとしての認定を取得しました。現在の認定スコープは以下の通りです※。
- Recognized Testing Standards(対象規格)
- UL 1741 Inverters, Converters, Controllers and Interconnection System Equipment for Use With Distributed Energy Resources
- Recognized Testing Sites(認定試験拠点)
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- 東京サイト:工場審査を実施
- 郡山サイト:最大5MW対応の試験設備により製品認証試験を実施
- 認定スコープの詳細は以下の公式ページに公開されています。
(OSHA公式サイト: OSHA NRTL Program – JET )
認定スコープは、今後お客様からのお申し込みに応じて拡張していく予定です。
UL1741を巡る2つの規制
UL1741は、太陽光発電(PV)や蓄電池などの分散型電源と電力系統を接続するためのインバータ、コンバータ、コントローラ、連系機器(PCS: Power Conditioning System を含む)に適用される安全規格です。米国においてPCSに必須とされる背景には、次の2つの規制があります。
- OSHAによる職場安全規制
- OSHAは、連邦法規に基づき職場の安全性を守るため、電気・電子機器を中心とした製品群にNRTL認証を義務づけています。UL1741はNRTL認証の対象規格のひとつであり、PCSが職場で安全に使用できることを確認するため、認証取得が必須とされています。
- 電力会社・ISOによる系統連系要件
- 米国の電力会社や独立系統運用者(ISO)は、分散型電源の電力系統への接続を円滑に進めるという観点から、系統連系要件としてUL1741を参照しています。例えば、カリフォルニア州のRule 21、ハワイ州のRule 14H、ニューヨークISOの要件では、PCSがUL1741に適合していることが系統接続の前提条件とされています。
このように、UL1741は 職場安全の観点(OSHA規制) と 系統連系の観点(電力会社・ISO規制) の両面から求められる規格であり、米国市場でPCSを展開するには認証取得が事実上必須となります。
UL1741認証試験の概要
UL1741(3rd Edition / Supplement B)に基づく代表的な試験項目は以下の通りです。
- 構造・安全性試験
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- 筐体構造、安全性に関する設計基準
- 電気的安全性:感電防止、絶縁性能確認
- 機械的安全性:外郭構造、強度評価
- 環境耐性:温度・湿度・腐食環境への耐久性確認
- 系統連系試験(IEEE 1547要件の参照)
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- 出力特性:定格出力・効率・波形品質確認
- 保護機能試験:過電圧・過電流・周波数逸脱時の動作確認
- 系統支援機能(Grid Support):IEEE 1547で規定される電圧・周波数サポートなど
- 電力品質試験:高調波、フリッカ、出力変動の評価
- 耐久性・信頼性試験
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- 長期使用想定の動作試験やストレス試験
- 部品寿命・劣化挙動の確認
- マーキング要件
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- 製品表示ラベルの適合性(定格・警告表示など)
NRTL認証取得のプロセスについて
NRTL認証を取得するには、単に製品が規格試験に合格するだけでなく、製造工場の品質管理体制や、認証取得後の継続的なフォローアップまで含めたプロセスを経る必要があります。
このプロセスを通じて、
- 製品が安全規格に適合していること
- 量産においても同等の品質を維持できること
が第三者機関によって保証され、米国市場における信頼性向上と円滑な流通につながります。
認証プロセスは以下のステップで構成されます。
- 認証申請受付
- 認証対象製品の型式ごとに申請を受け付け
- 申請内容確認
- 書類確認と必要に応じた見積書の発行
- 契約締結
- 認証契約の締結
- 認証試験
- 保護機能、性能、安全性の試験
- 工場審査
- 初回・定期審査による品質管理体制の確認
- 認証評価
- 試験結果と審査結果の総合評価
- 認証承認
- 認証の可否決定
- 認証登録
- 認証済み製品の登録・公開(JETホームページに掲載)
認証後は FUS(Follow-Up Services) として、継続的に工場審査や市場監視を行い、認証製品が常に規格適合していることを保証します。
認証マーク

NRTL認証を取得した製品には、認証機関ごとに定められたNRTL認証マークを表示することが認められています。このマークは、製品が安全規格に適合していることを示すものであり、米国市場における販売・流通の前提となります。
認証マーク単体での表示に加えて、商標登録された認証マークを含む認証ラベルを製品に貼付することが一般的です。認証ラベルには、定格や適用規格名といった製品情報を併記することで、トレーサビリティと信頼性を確保します。
お申し込みについて
NRTL認証サービスに関するお申し込みや各種手続きは、下記にて受け付けております。認証申請に関するご相談、見積依頼、スケジュール確認などもお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせは、Eメールでお願いします。